2015年11月8日日曜日

文化支援で発展計画。文化支援補助金制度を改良して、地域経済と自国経済を活性化する方法

公的な文化支援補助金や助成金は、特定の文化事業体を守るだけのものではありません。
それらの補助金制度を改良すると、そこから、地域経済と自国経済を活性化する仕掛けが得られます。

この計画が成功すると、次の効果が得られます。
o 自国文化の多様性を、国内外の人達が知る事が出来ます。
o 観光客は、「いつでも」満足度の高い文化イベントを探して出かける事が出来ます。
o 観光ビジネスの発掘効果と、国内外の観光客増加効果があります。
o その結果として、少ない国庫負担でも、自国の多様な文化を存続、発展させる効果が期待出来ます。


「文化支援で発展計画」の仕組み
1. 公的文化支援補助金の公益補助化推進
2. 文化支援団体・個人の公的公表
3. インターネット上で実現する、自国文化宣伝ネットワークの作成
 
1. 公的文化支援補助金の公益補助化推進
国や地方自治体が補助金や助成金を文化事業に出す方法を、以下のように変更します。

(1) 公演や作品のインターネット無料公開。その代金として補助金支援。
文化事業体が収入を拡大する為には、その存在が世間に広まらなければいけません。
そこで、YouTubeなどの媒体で、その文化事業体の優れた作品を、誰でも無料鑑賞出来る状態を作ります。
この補助金を多めに支払う事で、その文化事業体の公開体質を強化します。
撮影者などは、事業体が用意できない時は、補助金を出す側が用意します。

(2) 作品制作講座、演技指導講座のインターネット無料公開。その代金として補助金支援。
「その文化の担い手や支援者となる人達を増やす」効果を狙います。
興味が出る人が増えてきましたら、文化事業を自力で黒字化する事も可能になります。
この補助金も、かかった予算よりも多めに支払います。

(3) 作品制作現場を扱った作品のインターネット無料公開。その代金として補助金支援。
潜在ファンを増やす為ですから、あくまでも無料公開にこだわります。
YouTubeなどの媒体で、作品を無料で鑑賞できるようにします。

(4) 2次創作可能な形での公開
上記のインターネット公開に関しては、非営利の再利用が可能な形で行います。
そのようにしておくと、一般の人達が、趣味動画やブログなどで自動宣伝してくれます。
また、趣味の3D作品などが登場すると、もっと多くの人達が文化に注目してくれるチャンスもあります。
ライセンス設定する時は、クリエイティブコモンズの「表示・非営利」以上の公開度にします。

(5) 営利利用窓口の整備
可能でしたら、上記インターネット公開作品を営利利用する場合の利用窓口を決めておきます。
村の伝統行事などでは、専任の担当者を置くのも大変でしょうから、
国や地方自治体側で統一利用窓口を用意しておいて、必要に応じて文化事業体の窓口に接続します。

(6) 上記以外に関する支援については、補助率を大きく下げて、出来れば一時借用の形を取ります。
基本的には、後年文化事業が成功したら、徐々に返却する形を取ります。
「観客や支持者が増える」方向に予算を傾ける事で、文化事業体の自立を促します。

2. 文化支援団体・個人の公表
国や地方自治体は、インターネット上に、守りたい自国文化の支援者を表彰する特別サイトを作ります。

(1) 文化支援団体の公的公表
守りたい自国文化に対して補助金を出す団体がいましたら、
その団体名と支援した文化事業体を公開して、感謝の意を捧げます。

(2) 許可があれば、文化支援個人の公表
また、補助金を出しているのが個人の場合は、その個人の許可があれば、同様に感謝の意をささげます。
(= ペンネーム希望の場合も、受け付けるようにします。)

(3) 文化支援ネットワークの整備
文化支援者や支援された文化団体のホームページがある場合は、そのホームページへのリンクを貼ります。

3. インターネット上で実現する、自国文化宣伝ネットワークの作成
この計画が浸透していくと、観光したい時に観光したい文化を探す事が出来る需要が高まります。
そこで、国や地方公共団体は、自国文化の動画や宣伝サイトのリンクを集めて、自国文化宣伝ネットワークを作ります。
文化保護の為に出来る事は、補助金だけではありません。

その文化に関係するグッズの全国販売支援、
公演予告情報への誘導、
民間サイト、趣味サイトへの収集情報利用許可など、
文化保護の為にやれる事は沢山あります。

自国や自地域を盛り上げる為の仕掛け。
それを実現して、自国や自地域を活性化させる事が、この計画の最終目標です。

「文化支援で発展計画」の特徴
この計画が実現すると、次の6つの効果が期待出来ます。

(1) 内閣府と観光客。満足度の高い文化イベントの発見
(2) 総務省と地方文化の継承者。文化事業拡大と地域再生の可能性
(3) 文部科学省。自国文化の発展
(4) 外務省。自国イメージの向上
(5) 国土交通省。地方活性化と観光客増加効果
(6) 財務省と経済産業省。経済活性効果と費用対効果の拡大
 
(1) 内閣府と観光客。満足度の高い文化イベントの発見
観光客となる人達は、文化イベントを体験する為に、貴重な休日を使います。
ですので、好きになりそうな文化イベントを簡単に見つける方法があれば、休日を満足して過ごせます。

(2) 総務省と地方文化の継承者。文化事業拡大と地域再生の可能性
不便な土地に住んでいる地方文化の継承者にも、文化事業だけで食べて行く事が出来る可能性が生れます。
そして、文化事業が大きく成功すれば、地域人口増加、交通機関の整備など、大きな夢が広がります。

(3) 文部科学省。自国文化の発展
今までの文化助成金と比較して、文化事業体が事業を担う真剣度が上がります。
なぜなら、文化事業体の成果がインターネット公開される事で、観客以外の層からの意見が直接耳に入るからです。
仮に、文化事業体が事業を停止する事になっても、その文化を復興する為の情報は残ります。

(4) 外務省。自国イメージの向上
今まで隠れていた自国文化がインターネット公開される事で、
海外の自国文化ファンを増やし、ひいては自国イメージのさらなる向上につながります。

(5) 国土交通省。地方活性化と観光客増加効果
文化が国内や海外に無料公開される事で、「本場の文化を鑑賞する為に」その土地を訪れる観光客は増加します。
そして、本計画を特定地域にしかない文化に適用すると、それは地方活性化につながります。
また、インターネット公開される文化が多くなれば多くなるほど、相乗効果で観光客数は大幅に増加します。

(6) 財務省と経済産業省。経済活性効果と費用対効果の拡大
守りたい文化があっても、予算の上限は限られています。
この計画が浸透すると、限られた文化予算で、最大に近い経済効果が得られるようになります。

留意事項
(1) 関連アイデア。義務教育における、伝統文化教育の導入
国が観光立国を目指しているのでしたら、地域文化の振興は不可欠です。
次のような施策を取り入れると、未成年層に地域文化を根付かせる事が出来ます。

(a) 体育教育における、伝統動作の教育導入
義務教育の一環として、盆踊り、日舞、地域に伝わる踊りや演技を教えます。
ある程度踊れるようになれば、興味のある生徒達は、自発的に踊りを楽しむようになります。

特に盆踊りのテコ入れは、地域活性化にとって、直接的な効果があります。

(b) 社会科教育や美術教育、音楽教育における、地域文化の教育導入
伝統文化や言い伝えなどが残っている地域では、未来を支える子ども達に、地域文化等を教えます。
こうした伝承の機会を作る事が、国の文化を支え、多様な観光資源を生みだす礎になります。

(2) 地方文化展覧会
ある程度、地方文化のインターネット公開が進みましたら、
インターネット上で、地方文化展覧会を開催すると、もっと地方文化は盛り上がります。

その時に、「他地域や海外の1つの国から見た時に、どの作品が最も評価が高いのか」
のようなアンケートを取ると、地方文化で経済発展を図る時のヒントが得られます。

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