2013年6月15日土曜日

エネルギー効率向上計画。無理な省エネルギー対策をせずに経済発展する方法

今回は、「エネルギー効率向上計画」を提案します。
エネルギー効率が低い製品の国内流通を制限する事で、無理な省エネルギー対策をせずに経済発展する事を狙います。

エネルギー効率向上計画の仕組み
エネルギー効率に関する試験を実施して、エネルギー効率の低い製品の国内流通を制限します。
1. エネルギー効率に関する試験実施
2. 合格判定方法
3. 合格製品の世界的知名度向上
4. 流通製品に対するエネルギー効率規制
5. 技術の進歩に合わせた試験内容の改定
6. 不正行為の対応と世界公表
 
1. エネルギー効率に関する試験実施
国は、エネルギー効率に関する試験機関を設置します。
試験機関は、エネルギー関連製品について、次の4つの試験を行います。
(a) 通常性能試験 = 通常使用する環境下で行うエネルギー効率の測定試験
合格条件は「一定時間の間、基準値以上のエネルギー効率を保持出来る事」
(b) 耐久性試験 = 厳しい環境下で行うエネルギー効率の測定試験
「いつどこで使用しても一定以上のエネルギー効率を保持出来る事」
(c) 人体適応性試験
「その製品を連続使用しても、健康被害が出ない(少ない)事」
(d) 特定産業向け製品用の試験(オプション)
「特定産業にとって、有益な性能を持っている事」

2. 合格判定方法
試験結果の判定と表示は、次のように行います。
(a)試験項目の判定結果表示方法
A級 = 測定結果が、世界の最高性能に近い基準値を超えたもの
B級 = 測定結果が、この国の流通下限値以上の性能を示したもの
必要に応じて、他の級を作ります。
失格 = この国では流通出来ないもの
# 明らかにエネルギー効率が低い製品は失格にします。
# 使用中にエネルギー効率が大幅低下する製品も、失格にします。
# これらの製品を、国内市場に流通させないようにします。
(b)試験結果の表示方法
一目で分かり易いように表示します。
例えば、「AAA 級」のように表示します。

3. 合格製品の世界的知名度向上
(a) 試験機関は、試験の合格情報を各国語で公表します。
少なくとも、日本語(主催国の言語)と国際連合の公用語で公表します。
(英語、スペイン語、アラビア語、フランス語、中国語、ロシア語)
将来的には、世界中の言語での公表を目指します。
公表時には、試験を担当した審査官の名前と所属先も公表します。
公表した情報は、インターネットで24時間、誰でも閲覧可能にします。
(b) 試験機関は、合格メーカーと合格製品の一覧表を各国語で公表します。
随時更新します。
一覧表の詳細ページから、メーカーや製品のホームページにリンクします。
(c) 試験機関は、試験に合格したメーカーに対して、合格内容の宣伝利用を許可します。
次のものを広告などに使用する事を許可します。
(i) 当該製品がこの試験に合格したという文言
(ii) 試験機関が提供した測定データ
(iii) 試験機関が製品に許可した合格ロゴ

4. 流通製品に対するエネルギー効率規制
(a) 国は、新規流通製品に対して、エネルギー効率に関する試験に合格する事を義務付けます。
これから市場に出荷されるものについて義務付けます。
店頭販売の他に、輸入販売や通信販売についても義務付けます。
既に店頭で販売されているものは、そのまま販売する事が出来ます。
(b) この規制は、省エネルギー効果の高い小型製品から始めます。
出荷量の多い製品や、規制しても問題の少ない製品を優先して始めます。
将来的には、全てのエネルギー関連製品を対象とします。
将来は、自動車などの全てのエネルギー関連製品を対象にする事を目指します。

5. 技術の進歩に合わせた試験内容の改定
国と試験機関は、この試験の合格基準を作成し、5年毎に改定します。
世界や自国の技術の進歩に合わせて、合格基準を見直します。

6. 不正行為の対応と世界公表
国と試験機関は、不正行為に対して次の事を行います。
(a) 対象となった製品は、合格を一旦取り消します。
再試験を行って、もう一度合格判定を行います。
再試験の試験料は、通常通り頂きます。
試験中以外の不正行為も、再試験の対象にします。
(b) 不正対象製品の試験情報は、一定期間、特別のページにて公表します。
公表する場所は「不正告発ページ」のような名前にします。
不正理由と共に、メーカー名、製品名、担当した審査官名を公表します。
また、該当する試験の測定データも合わせて公表します。
(c) 国は、不正対象となった製品に対して、一定期間、流通制限を行います。
(d) 国は、試験機関を随時監視します。
国が不正な行為を発見した時は、直ちに世界に公表し、適切な措置を講じます。

エネルギー効率向上計画の特徴
この仕組みが実現すると、次の10の効果が期待出来ます。
(1) 企業/自営業者。計画停電とエネルギー不足の可能性低減
(2) 消費者。無理な省エネと計画停電の可能性低減
(3) 経済産業省。エネルギーの安定供給と、製品競争力向上と、排出量規制対応
(4) 財務省。電気料金や発電補助金の節約と、一時的増収効果
(5) 文部科学省。研究開発需要の増加
(6) 環境省。温室効果ガスの究極的な削減効果
(7) 国土交通省。観光国としてのイメージ向上
(8) 消費者庁。省エネルギー製品の不正表示防止
(9) 外務省。自然に優しい国の宣伝
(10) 総務省。エネルギー需要の詳細分析
 
(1) 企業/自営業者。計画停電とエネルギー不足の可能性低減
この計画が進行する過程で、計画停電になる可能性が殆ど無くなります。
また、強引な省エネルギー対策を強制される可能性も低くなります。
この他に、環境保護に熱心な企業は、次の利点も得られます。
(a) 省エネルギー製品を見分ける事が、簡単になります。
(b) 太陽光発電の導入後に、性能低下で困る可能性が少なくなります。

(2) 消費者。無理な省エネと計画停電の可能性低減
この計画が進行する過程で、計画停電になる可能性が殆ど無くなります。
また、無理な省エネルギー対策をしなくても済むようになります。
この他に、環境保護に熱心な方は、次の利点も得られます。
(a) 省エネルギー製品を見分ける事が、簡単になります。
(b) 太陽光発電の導入後に、性能低下で困る可能性が少なくなります。

(3) 経済産業省。エネルギーの安定供給と、製品競争力向上と、排出量規制対応
この計画が進行する過程で、エネルギーが安定供給出来るようになります。
省エネルギー性能の高い国産製品は、競争力が高くなります。
そして、排出量取引を行う際の、国や企業の支払い金額が少なくなります。

(4) 財務省。電気料金や発電補助金の節約と、一時的増収効果
国が支払う電気料金を、少なく抑える事が出来ます。
発電装置の性能向上に伴い、発電補助金を早期削減する事が可能になります。
この他に、製品買い替え需要で、一時的に税収が向上する効果もあります。

(5) 文部科学省。研究開発需要の増加
産業界の研究開発需要が大きくなります。
特に、環境保全技術の研究開発需要が高まります。

(6) 環境省。温室効果ガスの究極的な削減効果
この計画が成功すると、以下の効果があります。
(a) 温室効果ガスを継続的に削減する効果があります。
(b) 太陽光発電の性能向上を促進する効果があります。

(7) 国土交通省。観光国としてのイメージ向上
環境に優しい政策は、海外観光客の誘致活動にとって大きな後押しとなります。

(8) 消費者庁。省エネルギー製品の不正表示防止
この計画は、現在存在している「省エネラベリング制度」の短所を補います。
現在は、表示内容の確認をメーカーに任せているのですが、この計画を導入すると、表示内容の不正を見付ける事が出来ます。

(9) 外務省。自然に優しい国の宣伝
この国が環境保全に対して真剣になっている事を、世界に伝える事が出来ます。

(10) 総務省。エネルギー需要の詳細分析
エネルギー需要について、詳細な分析を行う事が可能になります。
例えば、この計画で収集した「製品1つのエネルギー消費量」に「製品の使用数」を乗じると、その製品全体のエネルギー消費量が分かります。

留意事項
「エネルギー効率向上計画」を設計する時は、次のような工夫が必要です。
 
(1) 測定データ公開時の注意点
測定データを公開する時は、メーカー名と製品名を公開しないようにします。
ライバル会社が妨害を行う危険性がありますので、試験中の製品や製品メーカーが分かるような内容の公開は避けるようにします。

(2) 審査官名公開の必要性
測定データや試験結果を公表する時は、担当した審査官名も必ず公表します。
理由は、審査官の不正行為を未然に防ぐ効果があるからです。

(3) 青色光対応
エネルギー効率が合格基準に満たなくても、その製品が従来製品よりも極めて人体に優れている場合は、製品の分類や合格基準について見直す必要があります。

(4) ロゴのデザイン
ロゴのデザインは、合格基準改定に対応出来るように工夫する必要があります。
合格した基準が新基準かどうか、区別出来る様なデザインにします。

(5) 消費者の財布に対する配慮
合格基準の設定に関して、消費者の家計負担を極力重くしないように気を付けます。

(6) 他の施策との併用
大型の製品を早期に優良製品に置き換える為には、購入予算を低くする工夫が必要になります。
例えば、「発電ファンド」のような方法を併用します。

参考文献
o ご参考。太陽光発電における、使用中の発電効率低下の例

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関連ページ:
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(2013年7月20日追加。試験結果表示方法の説明追加)
(2013年7月19日変更。仕組み欄などの文章見直し)
(2013年7月16日変更。文章の整形)
(2013年6月16日訂正。冒頭説明文の語句訂正)